主なポイント
ISO 14001は現在、規格の見直し作業が進められており、ISOのスケジュールでは2026年4月に改訂版が公表される見込みです。今回の見直しは「統合的な修正(consolidated amendments)」と呼ばれるもので、規格全体を大きく作り直すものではありません。
そのため、ISO 14001:2015の基本的な要求事項は変更されない予定です。主な変更点は、文章表現や用語をより分かりやすくし、規格の内容をより明確にすることにあります。また、近年の環境分野で使われる考え方や用語に合わせるとともに、他のISOマネジメントシステム規格と共通の構造(ハーモナイズド構造)との整合性を高めることも目的としています。
すでに環境マネジメントシステム(EMS)を運用している組織の場合、今回明確化される内容の多くは、すでに実施している取り組みと大きく変わらない可能性があります。つまり、新しい要求事項が大きく追加されるわけではないと考えられています。
改訂版が正式に発行された後は、新しい規格へ移行するための期間が設けられる予定です。通常、この移行期間は約3年程度とされており、最終的な期間はIAF(国際認定フォーラム)や認定機関によって確認される予定です。
ISO 14001:2026 とは?
今回は大きな改訂ではなく、一部の内容を見直す作業が進められています。この見直しでは、規格の言葉をより分かりやすくしたり、今の環境問題への考え方を反映させたりします。
また、ISO の共通ルール(ハーモナイズド構造)との整合も図られます。ただし、ISO 14001:2015 の基本的な要求事項は変わらない予定です。
ISO 14001:2026 の最新情報
2026年2月12日
ISO 14001:2026 は、環境マネジメントシステムに関する国際規格の次の改訂版として予定されているものです。現在の ISO 14001:2015 をもとにしながら、基本的な構造はそのままに、用語の整理や説明の簡素化、明確化が行われる見込みです。これにより、規格がより分かりやすく、実務で使いやすくなることが期待されています。
また、気候変動への対応、生物多様性の保護、資源の効率的な利用など、最近重視されている環境や持続可能性の考え方との整合も強化される可能性があります。これにより、組織は環境マネジメントを他のマネジメントシステムとより効果的に連携させ、世界的な期待の変化にも対応しやすくなります。
ISO の最新記事では、ISO 14001:2026 によって、運用コストやコンプライアンス対応の負担の軽減、環境パフォーマンスの向上、企業ブランドの信頼性の向上、グリーン市場への参入機会の拡大などの効果が期待されると説明されています。さらに、事業活動やサプライチェーン全体での環境リスクへの対応力(レジリエンス)の向上にも役立つとされています。
受審組織に対しては、公表スケジュールを確認すること、社内チームと情報を共有すること、現在の環境マネジメントシステムを見直すこと、そして円滑に移行するための計画を早めに準備することが勧められています。
ISO 14001:2015 が変更される理由
ISO の規格は、内容が今の社会に合っているかを確認するため、定期的に見直されています。
2015 年の改訂以降、気候変動、生物多様性の減少、サプライチェーンの透明性、サーキュラーエコノミーなど、世界の環境課題は大きく変化してきました。今回の見直しは、環境マネジメントシステムを将来にも対応できる仕組みとして維持しながら、こうした新しい環境への期待に合わせることを目的としています。
一方で、組織がこれまで使ってきた基本的な構造はそのまま維持されます。ISOの定期レビューの結果、ISO 14001:2015の要求事項そのものは、現在でも有効であると判断されました。そのため、今回は全面的な改訂ではなく、用語の更新、文章の分かりやすさの向上、ISOマネジメントシステム規格の共通構造(ハーモナイズド構造)との整合を目的とした統合修正が行われています。
ISO 14001:2026 への組織の対応
認証取得済の組織:改訂版が発行された後、決められた移行期間内に新しい規格へ移行する必要があります。
新規認証取得を目指す組織:最新情報を確認しながら、新しい規格に合った環境マネジメントシステムを構築することが重要です。
ISO 14001:2026 移行タイムライン
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段階 |
状況 |
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現行規格 |
ISO 14001:2015 |
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国際規格案(DIS) |
2025年6月発行済 |
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最終国際規格案(FDIS) |
2026年1月発行済 |
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最終発行予定(ISO) |
2026年4月 |
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移行期限 |
発行日から約3年の見込み |
規格改訂で想定される主な変更点
- 気候変動への対応(適応・緩和)に関する要求が強化される。
- 生物多様性や生態系への影響、製品のライフサイクルへの配慮がより重視される。
- 環境データの信頼性や環境パフォーマンスの指標について、より明確な考え方が示される。
- SDGsなど世界的な環境目標との整合が強化される。
- 環境マネジメントシステムの責任を、組織の経営やガバナンスとより明確に結び付けることが求められる。
